アーンドラ州の料理調査をしている中でアーンドラ・ダイニングの社長Paramataさんにたまたまお話しを詳しく伺える機会があり、奥様の家庭料理を味わえる会をセッティングしてもらうことができた。
場所は東大島と平井の間らへんにあるアーンドラカフェで、こちらは社長さんの従兄弟さんが経営されている店舗になるそう。
かなりの分量だったが、すべて奥様が作られたという。ご家族の出身地はアーンドラプラデーシュ州カキナダ。海沿いの街で、Subbaya Hotelというレストランが有名らしい。行ってみたい。
Kavitha’s Special Thali
お店に入るとバナナの葉っぱで机が埋め尽くされていたので、とりあえず水をかけて表面を洗う。
アーンドラの人はとにかく米が好きで、ターリーやミールスのときにはだいたい米料理が複数のってくるのが普通らしい。家庭だとどうなのかはわからないけど、まずは白ごはんとチキンピックル。
その後もあれよあれよとアイテムが次々に出てくる。全景はこちら。
各アイテムの解説
各アイテムの解説をしてみる。
Bagara Rice
スパイスで香りつけされたライス。プラオのようにケウラーが使われている。じゃがいも入り。香り高く油をまとっており、熱々で高貴な味。
”Bagar”というのはテンパリングという意味。具材やパウダースパイスの入らないプレーンなスパイスご飯だ。
White Rice
バスマティライス。
Poori
揚げたての全粒粉無発酵パン
Kodi Vepudu
Mutton Bangaladumpa Curry
社長の大好物、マトンとじゃがいものカレー。Bangaladumpaはじゃがいもの意味。
毎週日曜は必ずマトンとじゃがいも、もしくはマトンとドラムスティックのカレーを食べないと気がすまないという。
Andhra Gutti Vankaya
なすのピーナッツ煮込みカレー。アーンドラは千葉県のようにピーナッツと青唐辛子が名産らしく、ミルチカサーランのようなピーナッツベースの料理がよく食べられているという。
Guttiは”Whole”という意味で、まるごとのなすに切れ目を入れてペーストを詰めて煮込んだもの。今回、一番評判がよかったかもしれない。
Mulakaya Pappu Charu
Mulakayaはドラムスティック、pappuは豆、charuは汁。ドラムスティックの入った、ダールとラッサムの中間のような汁物。
酸味があるんだけどサンバルのようでもなく、かといってラッサムのようにスッキリしているわけでもない謎の汁。
Kakinada Royyala Vepudu
カキナダのエビの炒めもの。炒めものはベジもノンベジも全部vepuduと呼ばれる。
Chicken Pachadi
チキンピックルは奥様が作ったものをアーンドラグループの商品として売り出し始めたらしく、試食させてもらいました。
アーンドラだとアチャールとパチャディとチャトニがあまり区別されないらしい。
Perugu Garelu
ワダのヨーグルト漬け。がんものようなあっさりした食感のワダだった。
Rasmalai
デザートはラスマライ。
Rice Vadiyam
米のパパド。アーンドラではパパドも米で作る。
まとめ
今回の料理はどれもこれも出来立てで本当に美味しかったのだが、特に心に残ったのがBagara riceとGutti Vankaya。特にVankaya は自分でも何度か作ってみたが食べられるお店がなかったので、一つの正解を知れたという意味でもよい体験だった。
まるごとならGutti、切ってしまうとただのvankayaになる。
以前は家庭料理というのは単純にレストラン料理に及ばないものだと思っていたが、特にインド料理においては家庭料理が至上だというのはよく聞く話だ。レストランでは仕込みの関係上、どうしても似たようなグレイビーのベースが多くなってしまったり、仕込んでから時間が経ったものも多かったりする。
今回は家庭料理と言っても本当にレベルが高かった。貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
アーンドラ・ダイニング渋谷ではディワリスペシャルメニューもあるようなので是非。
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