ニッチなものというのは、往々にしてメジャーところには存在しない。知る人ぞ知るNeo Culture Cook Booksの第10冊目はなんと「スパイスカレー」の本。全体が手書きの文字と図で構成された本は独特の味わいがある。
本書は「スパイスカレー」の本にしては珍しく、スパイスのネイティブたちに教わったインド亜大陸料理のテクニックをもとにレシピを紹介している。ここで紹介されているテクニックは8種類、レシピは18種類。それぞれを一つずつ習得していき、そのテクニックを組み合わせることで、さらに難しい料理にもどんどんチャレンジしていけるようになっている。
ここでスパイスカレーと言われているのはいわゆる広義の「スパイスカレー」であって、インド亜大陸も含む、 スパイスを使って仕上げるカレー的な料理の総称、くらいに捉えておくのが良いと思う。
本書で習得可能なテクニック一覧
- A.テンパリング
炒めた油にホールスパイスの持つ味、香り、旨味、辛味など様々な成分を抽出するテクニック。
- B.仕上げのテンパリング
要領は普通のテンパリングとおなじだが、使うスパイスや加熱の仕方が異なってくる。
- C.ブナ
各工程で炒めて水気をしっかり飛ばす。玉ねぎやトマトなど各工程でこれができるようになると美味しさが段違いになる。、
- D.スパイスの乾煎り
ガラムマサラやミックススパイスを作るときに、ローストでも焦がすでもなく香りを立たせるためのスパイスの乾煎りのテクニック。
- E.ヒング
セリ科の植物の茎の樹脂であるヒングの3種類の使い方。
- F.ボーンスープ
骨を煮込んで出汁や旨味を得るテクニック。
- G.ヨーグルト
日本のヨーグルトを使った場合に適したテクニックを紹介。
- H.ダム
ペルシャで生まれた調理法。「 食材を箱の中に入れて密封した上で炭火などの遠火によってじっくり長時間、食材が持っている水分を利用して蒸し焼きのようにすること。」
テクニックというか食材の名前じゃんっていうのもあり、概念の粒度はあまり揃っていないがそれぞれこのような内容。ぜひこのテクニックを全部習得して、毎日のカレー作りをブラッシュアップしよう!
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