パリップはスリランカの味噌汁。スリランカではプロポーズの時に「俺にパリップを毎日作ってくれないか」と言う、のだろうか。
スリランカでは「rice & curry」といって複数種類の米とカレーを毎日食べるのだが、その中でも毎日作られるのがパリップ。すぐに煮える豆なので簡単でお手軽メニューでもある。
今回のレシピは、旅するスパイスラバー、ちゃいまいに提供してもらったレシピを元に試作しアレンジを加えたものです。
インドのダールとスリランカのパリップの違い
インドにはダールという豆カレーが各地にあり、毎日のようにいろいろな豆を食べる。タミルでは「パルップ」、テルグでは「パップー」と言ったりもするが、スリランカでは「パリップ」というので少し似ている。
名前こそ似ているものの、何度も作ってみてインドのダールとスリランカのパリップは根本的に違うもののように思えた。宗教や気候が主な要因なのだろうが、下記のような点が大きく特徴として違う。
・ダールはスパイスを油やギーでテンパリングして加えることが多いが、パリップには油を入れない。スパイスも一緒に煮るだけ。
・インドでは色々な豆を使うが、パリップは赤レンズ豆(インドのマスールダール)しか使わない。
・特に支配的な香りはランペ(パンダンリーフ)
・ココナッツミルクが濃い。
スリランカ北部のタミル人が多いジャフナのダルもパリップと呼ばれるようだが、レシピを見たら全然違った。このへんも比較してみたい。
パリップにも色々な作り方があるが、今回はベーシックなスリランカ家庭のレシピ。それでは作り方を見てみましょう。
材料
- 赤レンズ豆 100g(体積は120ccくらい)
- 玉ねぎ 50g スライス
- 青唐辛子 1本 スライス
- にんにく 1つ たたきつぶす ※みじん切りではない。
- カレーリーフ(カラピンチャ) 生 8~12枚程度
- ランペ 20cm程度 乾燥の場合少なめ
- ターメリックP 小さじ1/4
- ローステッドフェヌグリーク 小さじ1/4
- クラッシュドチリ(フレーク) 小さじ1/2
- セイロンシナモン 1/4片 ほんのひとかけでよい
- スリランカ岩塩 小さじ1/2程度
- ココナッツミルク缶 150cc
- 水 300cc
※お好みでアンローステッドカレーパウダー小1/2、ウンバラカダ(モルディブフィッシュ)などを足しても良い。
作り方
- 理想的にはスリランカの土鍋、ワランを使うが、なかったら普通の鍋を使う。土鍋でもいいかもしれない。
- 豆はめちゃくちゃしっかり洗う。米を研ぐ時の要領で5-6回以上は洗う。
- 30分以上浸水しておく。
- ココナッツミルク以外の材料を全て加え、沸騰するまで中火で煮たあと蓋をして弱火で10分ほ、ど豆が柔らかくなって潰れるくらいまで煮る。焦げそうならときどき水を差す。
- ココナッツミルクを加えたら2-3分煮て、水分を飛ばす。
このくらいドロドロになるまで水分を飛ばす。
Tips
- スリランカでは毎朝新鮮なココナッツを割って絞ってミルクを作るそう。そのときに一番搾りと二番絞りというのが区別され、英語のレシピではよくThick coconut milkとThin coconut milkで区別されている。
- 一番目の濃いミルクは沸騰させると固まってしまうので、パリップを作る場合は2番目の薄いミルクで最初に煮てから濃いミルクを足して作るそうです。
- 日本では難しいので今回は水で煮てからココナッツミルクを足すレシピにしています。
- ランペやカレーリーフはスリランカ食材店で冷凍のものが売っているので、できるだけ入れたほうが現地っぽくなります。
- カレーパウダーやチリはお好みに応じて調整。
- スリランカではワランに材料を全ていれてから動かしてはいけないということも言われるらしいが、差分は試してないのでわからない。
- フェヌグリークとチリは少量でも入れると一気に味がしまる。シナモンはいれすぎると甘くなりすぎるのでほんのかけらでよい。
レシピ提供
今回のレシピは、ちゃいまい/旅するスパイスラバー の提供でお送りしました!
HAT SPICEという「ハッと驚くスパイス体験」をお届けするスパイスブランドを運営されています。
コメント