バスマティライスとは。
最近、日本のインド料理店でもよく見かけるようになったバスマティライス(basmati rice)。
最大の特徴は米がブイ〜〜ンと長く伸びることとその独特な力強い香り。
本記事では、そもそもバスマティライスとは?という前提知識やよくある疑問、調理方法、どこで買えばいいの?という入手方法について書いていきます。
バスマティライスとは
バスマティライスはポップコーンのような独特の香りのある香り米で、炊くと細長く伸びるパラパラとしたインディカ種の長粒米。
インディカ種の米がすべて細長いわけではなく、実際には小粒のものやビーズ状の米など多種多様なものがあるが、バスマティライスはその中でも豊かな香りと伸びる性質を併せ持つ。
「ポップコーンのような香り」と好意的に評される独特な香り成分の正体はアセチルピロリンであり、人によってはネズミの尿と言われることもある。
日本では香り米の栽培は面積あたりの収穫量が少ないこともあり、限定された地域でしか受け入れられてこなかった。
今では国産のバスマティライスやバスマティライスと掛け合わされた米なども作られてきている。

インドではそのまま炊いて白飯で食べることは少なく、ビリヤニやプラウなどの米料理に使う事が多い。
主な産地は北インドとインドに接するパキスタンの一部で、インドだけで世界のシェアの65%、パキスタンで残り35%を占めている。
日本だとインド米としては最も流通していて、インド米=バスマティという認識になっている。しかし、インドでは値段も高く普段からいつでも食べるようなお米ではない。
インドでは、普段食べる日常米としてはもう少し安い米を食べていて、バスマティはビリヤニやプラオなど、香りを楽しむ特別な料理のときに使うものらしいのだが、需要と供給の関係から日本ではバスマティの方が安くなってしまっていると聞いた。実際、インドでもバスマティライスの生産量は全体の1%以下だそう。
日本ではベジミールスをバスマティと合わせて出しているお店も多いが、個人的にはベジミールスをバスマティで食べると香りが強いので少し飽きると言うか、おいしすぎて毎日食べるには食べ疲れする感覚がある。個人的には、浸水時間を長めにとって炊いた香りの弱いタイ米とベジ料理の組み合わせが日常感があって好きかもしれない。
バスマティライスにまつわるよくある疑問
名前の意味
バスマティライスという名前の由来はヒンディー語で、”Bas”が「アロマ」、”Mati”がたくさんという意味で、合わせて「full of aroma 香りに満ちている」という意味になる。
日本米と違って古米が好まれるのはなぜ?
バスマティライスは古いほど熟成されて香りがよくなり、インド人に好まれるようになるらしい。
メーカーによって熟成の方法が違うらしいが、「2年以上熟成」などとパッケージに書いてあったりする。
セーラ米(パーボイルドライス)とは
セーラ米(パーボイルドライス)はお米の品種ではなく、収穫したお米を籾殻がついた状態でお湯につけてから蒸し上げ、乾燥させて精米したお米。籾殻の栄養成分がお米本体に移動しているため、栄養成分も豊富。
通常のバスマティライスより固くて歯ごたえがしっかりしていて、通常のバスマティよりもよく伸びる。
日本のハラルショップ店頭などで自分が一番よく見るセーラ米はこのKAALARのもの。
コシが強くよく伸びるが、ちょっと独特な香りがついていて使い所が難しい。

セーラ米に関してはこちらのブログに詳しいが、セーラ米の方が荒く扱っても壊れにくく価格も安いため、インドでは屋台のビヨンビヨンに伸びたようなビリヤニでよく使われている。

バスマティライスの炊き方:調理方法
自分がいつもとっている調理方法を紹介する。
炊飯器で炊いた場合は、お湯に溶け出さない分バスマティの香りはしっかり残る。
しかし、湯取りの方が本格的でしっとり軽やかにふわっと仕上がり、固さも好みによって調整することも容易。
バスマティは細長くて折れやすいため注意。
炊飯器で炊く場合
・バスマティライス100gに対して水170gの割合で入れ、30分浸水する。
・香りが落ちてしまうので水を入れたらホコリを取り除く程度で日本米のように研いだりはしない。気になるようなら静かに水を取り替える。
・早炊きモードでスイッチを入れて炊く。
湯取り法で炊く場合
・バスマティライス200gなら1リットルなど、5倍以上の多めの水を強火で沸かし、バスマティライスを洗わずにそのまま投入する。
・投入したらくっつかないように木べらで底から軽く混ぜる。
・再沸騰後10分ほど中火でパスタのように茹でる。
・味見をして好みの茹で加減を探りながら火を止める。
・ザルにお湯ごと米をあけて水を切り、すぐに鍋に戻して蓋をして10分蒸らす。蒸らしの間に米が伸びるので重要。
参考URL:
バスマティライス食べ比べ
バスマティライスは日本で出回っているだけでもかなり多くの銘柄が。
東京で買える代表的なものだけでも、DAAWAT、Guard、Kaalar、Naubahar、Sartaj、Meskey&Femtee、Naz、Mahararani、Ambika、Devaaya、Kohinoor、Guard Ultimate、India Gate、Lal qilla Majestic、Lal qillaなど。
東京マサラ部室にて、15種類のバスマティライスを一日で全て食べ比べてみる会を実施しました。
そのときのレポートは下記noteにて。

入手方法
①インド、バングラデシュ、ネパール、パキスタン食材店やスパイスショップで買う。
新大久保が特に有名ですが、東京都内に限らずあちこちにインドやネパール、バングラデシュ系の食材店ができています。
そういうところでは、ブランドによりますが5kg2000円前後で購入できます。
②オンラインで買う
Amazonでも買えますが、かなり高いです。近くに買えるお店がない場合は、一定額以上買うと送料無料になるのでアンビカがおすすめです。
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