今さらガラムマサラだけど。
どんな本か
- カレーが好きだけど毎日忙しい人たちのために、残業して帰宅しても気軽に手早く作れるカレーのレシピ本
- 南インド料理店エリックサウスの総料理長、稲田俊介氏の書き下ろしレシピ
- ほとんどのレシピに仕上がり重量が書いてあり、再現性を担保している
- 初心者向けと見せかけて実はマニアックな内容を多く含む
ほとんどのレシピに仕上がり重量付き!まずは量りを用意しよう!
「適量」や「少々」の言葉がひとつも登場しないレシピ本は世界初ではないか。しかもすべての材料がグラム単位で明記され、仕上がりの量まで記載されている。これは、レシピ本というより南インド料理店エリックサウスの秘伝のマニュアルではないか…?全体的にパワポっぽい装丁だし。
紙のレシピだけでは最終的な仕上がりイメージがうまくつかめず、作り手の実力や経験に依存してしまう場合がほとんどだろう。材料に関しても、玉ねぎ一個、塩適量…などと書かれていたらざっくりしすぎていて結局自分のいつも作る料理と同じ味になってしまう。すでに実力があればいいが、初心者向けのレシピなのにそれではあまり意味がない。型を身につけないただの独学は型破りではなく型なしという。そのために破るべき型をまず与えてくれるレシピがよいレシピなのではないだろうか。
カレーの調理は大まかに「炒める→煮る」で構成されている。なんらかの水分を加えてからは温度上昇が面全体で均一になりやすく、重量によって水分の蒸発量を管理しやすい。
スパイスは魔法ではない。
スパイスからつくるインドカレーはわけのわからない「魔術」だと思われていることも多い。しかし、理屈を知ってしまえばそれは魔術でもなんでもなく、素材を活かすために工夫された「科学」の料理体系に過ぎない。「忙しい平日も時間のある休日も、多くの人が手早くカレーを作れるようなレシピ本があったら」という想いで、根性論を排してロジカルに構成されたこの本は、きっと毎日の役に立つ。
一番最後にある謎解きパートも大変おもしろいのでぜひ。
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