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西インド料理食体験

家庭料理レカの西インドストリートフード(葛西)

今回は雑穀のお好み焼きタリピートと激辛もやしカレーMisalをご紹介。

西インドの家庭料理や屋台料理を調べているとわけのわからない料理がたくさんでてくる。


そんなときにいつだって立ち返りたいのが葛西にある「カフェと印度家庭料理 レカ 」というお店。
息子のよぎさんは日本人として帰化されていて、江戸川区議員になるなどなにかと話題に事欠かないお店だ。

詳しい話はスパイシー丸山さんの記事をご参照。

Diggin’#4-1 西インド料理レカ : ソースコpresentsスパイシー丸山のDiggin’
毎度おなじみ、カレーにまつわるエトセトラをどこまでもdigしていく、日本で最もディープなカレー&インド文化対談サイト“Diggin"の新作がアップされました。今回は東京のリトルインディア西葛西の名店「レカ」のオーナーヨギさんに、西インドカレーの深淵について深く深くdigしてまいりました!


西インド出身のインド人は日本にはたくさんいると思うのだが、実際に西インド料理を提供しているお店は東京にはほとんどない。「カフェと印度家庭料理 レカ 」は西インドマハラシュトラ州、プネーの料理を中心に出しているお店である。プネーには昔1ヶ月ほど住んでいたことがあるのだが、高地なので比較的涼しく、大学がたくさんある古都なのでムンバイが大阪だとしたらプネーは京都である。


お店の料理ラインナップは家庭料理が中心となっているが、それも、そもそもお店を出したきっかけが

「日本にあるインド料理店はナンとカレーのお店ばかりで、毎日食べられるようなものではない。だから自分で作るしかない。」

というものらしい。

ビリヤニも日替わりのカレーセットも、土日祝日限定のサトヴィック(菜食)な料理セットもおいしいのだが、実はレカには他では食べられないような隠れた家庭料理がまだまだたくさんある。

なかでも今回のお目当てはThalipeethMisal Pavという料理だった。



Thalipeethとはなにか

西インドでは小麦粉以外にもjowarモロコシ, bajraトウジンビエnachni/ragiシコクビエなどの雑穀がよく食べられている。

Thalipeeth(タリピート、タールピット)はそんな雑穀を材料にしたお好み焼きやドーサのようなもので、マハラシュトラでは屋台や家庭でよく食べられている。家庭でつくるときは油はすくなめにし、余っている別の雑穀の粉を適当に混ぜたり、スパイスや野菜などを混ぜたりする。ヨーグルトと、レモンの効いたミントパクチーチャトニが添えられているのが一般的なよう。

いくつかの作り方があるのだが、これはおそらくjowar(ソルガム、モロコシ)を主体にしたもの。記事に玉ねぎやクミン、唐辛子などが混ぜ込まれている。

小麦粉と違ってグルテンフリーなのでjowarの粉はこねていても粘り気がなく、手で鉄板に押し広げるようにして伸ばし、そこに油を垂らしながら焼く。仕上がりは半分揚がっているような状態で、パリパリしている。

食べてみると南インドのドーサほどフレンドリーな味がしない。やたら辛いしモソモソしていて、めちゃくちゃうまいものというわけではないが、だからこそ飽きないのかもしれない。それに、日本では食べられない非日常的な感じは味わえる。こういうものを興奮しながら食べてしまう自分は決してグルメなわけではないな、などと思いながらいただいた。グルメというのは失敗をしたくないという衝動だ。

ちなみにこれを揚げるとDapatheという名前になるらしい。揚げたほうがサクサクして食べやすい。


Misal Pavとはなにか

西インドで広く食べられているMisalという料理がある。一晩水につけて発芽させたムング豆、つまり緑豆を使うことが多い。違う豆が使われることも多いが、一言でわかりやすく言えばもやしカレーである。(ただし、市販のもやしを使うと水っぽくて美味しくない)自分も西インドのムンバイやプネー、コラプールで何度も遭遇した。

ちなみに同じ発芽した豆を使っても、素朴に味付けしたものはUsalと呼ばれ、そこに唐辛子やトッピングのスナック菓子、コリアンダーリーフなどを乗せていくとMisalと呼ばれるようになるらしい。(詳しくはこちらのnoteで)ややこしや。

ゴアからヨーロッパの文化が広まったということもあり、西インドでは西洋のパンが広く食べられている。特にムンバイではPav(パオ)という名前で、ちぎりパンのような形のパンが食べられている。日本でもアンビカショップなどで、「ムンバイパン」の名前でよく売られている。


ということでここレカでもチャパティなどのインドのパンではなく、西洋のパンが添えられている。

…まあ、どうみてもヤマザキの食パンである。

潔いまでの普通の食パンが2枚乗ってでてきた。

しかしMisalとは相性がよく、つけながら食べるとあっという間に食べ終わってしまう。このMisalはかなりスパイシーめに仕上げられており、トッピングされた玉ねぎとスナック菓子がいい味出している。一緒に出てきた発芽した豆のサラダもさっぱりして美味しい。




まだまだインドにいけなさそうな2021年だが、西葛西や葛西エリアにプチインド旅行に行った折にはぜひ寄ってみてほしい。

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以前、西インド料理についてプリヤマハル東京さんにインタビューした記事はこちら。

東京マサラ部28.西インド料理についてInterview【プリヤマハル東京】|カレー哲学|東京マサラ部
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お店の情報

カフェと印度家庭料理 レカ 葛西本店 (葛西/インド料理)
★★★☆☆3.48■予算(夜):¥1,000~¥1,999

営業時間

11:30~15:00(L.O) 18:00~21:30(L.O)

日曜営業

定休日

月曜


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インドに行けない僕らが東京にインドを作り上げるまでの挑戦の記録。カレーは手段ではなく、常に目的である。カレーを作り、カレーを食べ、カレーについて考え続ける。都内某所に存在するカレーのシェアハウス【東京マサラ部室】の活動を発信していきます。不定期に配信する【東京マサラ部】記事の有料部分が全て読めます。月に2本以上更新する...
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