京橋にオープンしたボンベイシジラーズ。オーナーさんはムンバイ生まれのシンディー(パキスタンシンド州から移住してきた人びと)で、奥様はグジャラート州の出身らしく、リクエストに応じて色々な料理を作ってくれるという。
今回はせっかくなのでリクエストしてグジャラート料理を色々と作ってもらった。
グジャラート料理とは
- グジャラート州はインドの西端に位置し、北西はパキスタン、南西はアラブ海、北東はラジャスタン州、東はマディヤ・プラデシュ州に接している。
- સુરત નું જમણ અને કાશી નું મરણ(Surat Nu Jaman Ane Kashi Nu Maran)「スーラトに生きてバラナシに死ぬ」という有名な言葉があり、敬虔なヒンドゥー教徒は物質的に豊かなスーラトで暮らして死ぬときは聖地バラナシで死ぬというのが理想の生き方とされている。
- 「インド産業の父」ジャムシェトジー・タタや「インド独立の父」マハトマ・ガンディー、首相のナレンドラ・モディなどを排出している。
- 酪農が盛んで乳製品がうまい。アムールはグジャラート発祥のギー。
- カッティミッティ(酸っぱ甘い)な料理が多い。甘みはジャガリー、酸味はレモンとコカムでつけることが多い。
- ピュアベジの人が多い。ピュアベジとはインド独特のものかもしれない。基本的にベジタリアンより厳格であり、乳製品はよいが卵やにんにく、玉ねぎは食べない。じゃがいものような根菜類も禁止されることがある。ベジタリアンやビーガンと重なりあう概念である。
グジャラートの代表的な料理を食らってきた
禁酒州だけど普通にお酒を飲んでしまった。
khaman dhokla カマン・ドークラ
グジャラートにはこういう軽食がたくさんあり、朝食などでよく食べるらしい。ひよこ豆の粉でできた食べるスポンジボブ。自分で作ったものよりかなりふわふわでバブルが大きかった。生地を発酵させた上でさらに重曹で膨らませているらしい。酸味は控えめで、揚げた青唐辛子と一緒に食べると味が引き締まっていい感じになる。片手に青唐辛子をかじりながら食べるのはコロンビアエイト感がある。
khandvi カンドヴィ
ひよこ豆の粉(ベサン)とヨーグルトでできた生地を固めてテンパリングしている。
湯葉みたいで、生暖かくて固めの食感。とろけるかと思ったけどそんなにとろけない。
muthiya ムティヤ
揚げ物。蒸したmuthiyaもあるみたい。これはかなりメティの香りが強い。ベジのナゲット。かなりお酒に合う味。
sev tomato shaak セブ・トマト・シャアク
トマトでできたグレイビーに小麦の揚げ麺セブを合わせたかた焼きそばのようなもんじゃ焼きのような一品。
グジャラートではカレー的なものはshaakシャークと呼ばれる。
ふりかけられているというよりパスタのよう。麺がなかなか油っぽかった。トマトが強く、ラインナップの中では一番カレーっぽかったかもしれない。
khatta mittha dal カッタ・ミッタ・ダール
甘酸っぱいダールの意味。ピーナッツはホールで入っている。
酸味は思ったより強くない。ベースはトゥールダルかと思ったけどどうやらチャナダルらしい。
酸味も甘みもそこまで強くなかった。サンバルやアムティにも近いものを感じる。
kala chana カラチャナ
柔らかく煮られた黒いひよこ豆。おいしい。
dahi kadhi ダヒ・カディ
カディというとひよこ豆とヨーグルトのシチュー的なもので、店によってはもっと黄色っぽかったりパコラが入ったりする。
これは明らかに白い。ホールのクローブが入っていて、いままで食べたことのないタイプのカディ。
ギーかバターで乳製品の厚みを足しているようで、シチューっぽくておいしい。
冷めると結構しょっぱい仕上がり。
Kichdi キチュリ
豆入りのおかゆなのだが、酸味がありとても豆感が強かった。
ビシベレバスに通ずるものがありそうだ。
paneer pulav パニール・プラオ
パニールの入ったプラオ。バターの香りが漂って欧風の野菜ピラフっぽい。
thepla テプラ
全粒粉にひよこ豆の粉とフレッシュなメティを大量に練り込んだグジャラートでよく食べられているパン。メティの香りがものすごい。
味が濃いのでそのままでも行けるし、他の料理と一緒に食べてもいい感じ。
全体的な印象としては、炭水化物と乳製品がどかどか出てきたため、ベジゆえの満足感がある。消化にはあまりよくなさそうだが。
レストラン料理のためしっかりした味付けの物が多かった。
リクエストすれば大抵のものは作ってくれるし、かなりおすすめです。ぜひグジャラート料理を食べてみてください。
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