何年か前、インドで働いていた事がある。プネーにある小さなインド人の会社だったのだが、同い年の日本人インターン生二人と一緒になった時期が一ヶ月だけあり、異国の地ということもあり意気投合し、三人はとても仲良くなった。
職場の大半はインド人だったが他にもフランス人やベルギー人もいて、同い年だが役割的に上司になったフランス人女性がとても嫌なやつだったので、外国人連中で一致団結してそいつの悪口を言い合っていたのはいい思い出だ。
日本に帰国してから何年も経つが、その後も定期的に会って近況報告をし合う仲になった。もちろん、場所はいつもインド料理店。金融系の会社に勤める彼は当時出会ったインド人の女の子と結婚したし、外資系に勤める彼女は夢を叶えながらバリバリ稼いでいる。一方僕はカレー哲学者なんていうよくわからないものになってしまった。
頻繁に触れているものはゆっくりと変化していくから変わっていることに気づきにくいが、年に一回とか数年に一回とか、そういうペースでたまに触れあうものは、コマ数の少ない映画のように画面が飛び飛びになって大きな変化に気づくことができる。
定期的に会う古い友人というのは過去を運んできてくれて、忘れていたことをいつも思い出させてくれるのだ。
60ルピー(100円くらい)のランチを食べ、オートリクシャーのおっちゃんにメーターを使ってくれるように毎日怒鳴っていて、砂埃のなかを駆けずり回っていた僕たちが、いまや銀座で豪華なインド料理ディナーだとは。人生わからないものだ。
そんなこんなで、銀座にできたSeabird Colonyへ。インド料理の伝統調理法と日本の食材が融合したイノベーティブインディアンという謳い文句だ。
以前ランチは訪問したことがあったがディナーは初めてだった。
コースもおすすめらしいが、ここはアラカルトで。
お店の特徴としては、同じ料理の中で肉や魚の種類を選べること。特におすすめなのはキジらしいけど。
日本の旬の魚介をモダンなインド料理で。
クンダプールスパイス炒め(チキン)
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グリルしたチキンにグレイビーがソース代わりにかけられている。チキンがジューシー。クンダプールはカルナータカのウドゥピの近くにある街のよう。特に料理で有名とかは聞いたことがないのだが。
サワラのマラバールカリー(village)
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上質な仕上がり。あっさりとしたサワラとココナッツミルクがよく合う。
ニルギリ(modern)ヒツジ
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ヒツジがとても柔らかい。ニルギリはミントやコリアンダーリーフ、青唐辛子などで作ったグリーンマサラが特徴。香り高く、シャレオツな仕上がり。
アッキ ドーサ/ラギドーサ
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![](https://philosophycurry.com/wp-content/uploads/2021/11/C08441B7-167F-4335-96C6-3C654BA3FEA0-scaled.jpeg)
珍しいところでは、黄色いドーサや(akkiは米粉だが、とうもろこし粉とまざっている?)、シコクビエの粉を使ったラギドーサなんかもあった。
本来田舎や農村で食べられている料理だったりするらしいので、そういうものを洗練された形で出すのは面白いかもしれない。
ロブスターのビリヤニ
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シーフード系のビリヤニが充実しており、食べたことがなかったロブスターのビリヤニをチョイスしてみた。お米がしっとり系でお上品な仕上がりで、うおー!ビリヤニ食べた!みたいな満足度はないのだがよいビリヤニだった。
全体的にスパイスも油も塩も控えめではあるのだが、銀座のモダンインド料理の名にふさわしい上質な仕上がりだった。
この日はインドビールやインドワインも飲みながらよもやま話を繰り広げた。
銀座の隠れ家的なインド料理店として落ち着いてシャレオツな食事をしたいときには優良なお店だと思いました。
お店の情報
![](https://tblg.k-img.com/resize/640x640c/restaurant/images/Rvw/155429/155429394.jpg?token=4ef0c88&api=v2)
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