牛の肉はご法度なイメージの強いインドだが、ケーララ州や西ベンガル州などムスリムやキリスト教徒の割合が高い地域ではビーフを使った料理が日常的に作られており、牛肉の海外輸出も盛んにされている。
だが、ビーフといいつつもそれは「水牛」の肉であることが多い。
日本ではあまり馴染みがないかもしれないが牛と水牛は全く別の存在として扱われる。牛は神様の使いとして保護されるのに水牛は閻魔様の乗り物として肉にされる。
最近日本でも主にネパール食材店でオーストラリア産の水牛が出回るようになり、冷凍の肉が簡単に手に入るようになった。
こちらのnoteで触れたが、「ジャッリカットゥ牛の怒り」という映画の中で水牛のカレーの話が盛んに出てくるため、水牛を調理してみたくなったのがそもそもの始まりだった。そこから何回か試作を繰り返してみたのでレシピを残してみる。
東京マサラ部32.『ジャッリカットゥ牛の怒り』を観て水牛を食べた(レシピ有り〼)|カレー哲学|東京マサラ部
7月17日より公開予定のインド・ケーララ発の映画『ジャッリカットゥ牛の怒り』試写会に参戦してきました。映画の影響で水牛が食べたくなったので、お昼休みに買って来て水牛カレーを作りました、という話です。映画『ジャッリカットゥ 牛の怒り』公式サイト映画『ジャッリカットゥ 牛の怒り』2021年、インド映画を代表するのは牛!暴走...
屋台風ケーララ水牛カレー
ケーララには”Thattukada”という名前でロードサイドに屋台があり、そういうところではパロッタと一緒に水牛の料理が親しまれているらしい。
水牛と同じ量のタマネギを使い、よく炒めてよく煮込む。スターアニスやフェンネルなどのアニトール系の甘い香りが特徴的に仕上がる。
【材料】
- 水牛肉 500g →解凍して一口大に切る
- タマネギ 500g →半分にしてスライス(ケララ切り)
- 生姜 みじん切り 1個(5g程度)→すりおろし
- にんにく 1個5g程度 →すりおろし
- ココナツオイル 50cc
- カレーリーフ 10枚
- ココナツヴィネガー 大1
- 青唐辛子 2本
- 水 250cc
- 塩 小さじ1程度 8~10g(味見をして調整)
【マサラ】
- 生姜 20g → ミキサーにかけるので適当なサイズに切る
- にんにく 5個 →ミキサーにかけるので適当なサイズに切る
- フェンネルシード 小1/2
- カシア 3cm大
- クローブ 2
- カルダモン 2
- スターアニス 1
- 水50cc
【パウダースパイス】
- カシチリ 大1 (半量をパプリカ、半量をチリパウダーでおきかえても)
- ターメリックパウダー 小1/4
- コリアンダーパウダー 大1
【作り方】
- 解凍した水牛の肉を一口大に切る。ココナッツヴィネガー大1とターメリック小1/8をまぶしてよく混ぜ置いておく。
- マサラの材料を全て1分以上ミキサーにかけ、ペーストにする。水が足りなかったら少量足す。
- ココナッツオイルを熱し、強火でタマネギ、生姜、青唐辛子、カレーリーフをすべて入れ、半分茶色に色づくくらいまで炒める。ケーララの一般的な料理よりは深めに炒める。
- タマネギが写真の色程度まで色づいたらグラインドしたマサラを入れて、水分がなくなるまでよく炒める。
- 弱火にし、パウダースパイスを入れて炒める。焦げないように水を差しても良い。
- 油が分離するまで炒めたらマリネした肉を入れ、焼き目がつくまで炒める。
- お湯を300cc入れて沸騰するまで中火で加熱し、沸騰したらごく弱火で蓋をしながら2h煮る。もし水が少なくなって焦げそうなときは少しずつ湯を足す。
2時間煮るのでスパイスの香りは飛んでしまっていると思いきや、スターアニスやフェンネルの香りが花から抜ける。圧力鍋だといくら時間をかけてもやわらかくならないので、弱火で長時間煮るのが一番美味しく仕上がる。主食としてケーララパロッタやパン類を合わせると相性がよい。
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