導入:食べたカレーの記憶を遡っていく
なかなかカレー屋さんに行けないご時世なので、食べたお店の記憶を遡っていく。反芻する食レポやレシピはさっくりとブログに書いていくことにした。
浅草橋にできた美味キッチン。開店して直後に一度訪問したのだが、年末バングラデシュに行ってからベンガル料理熱が自分の中で再燃してしまったので再訪。ベンガル料理は地味だがご飯に馴染むものが多くて、部活帰りの中学生ばりにもりもりご飯を食べてしまう。
本場のベンガル料理を出していたら絶対にもっと行くのに、インド・ネパール料理としてやっているバングラデシュ人のお店のなんと多いことか。
ベンガル料理で好きなのは「ボッタ」だ。野菜や魚などをマッシュして混ぜたもので、ご飯によく合う。つくるのがなかなかめんどくさいのでメニューにいつも置いているお店はほとんどない。そこでお店に相談してみたら快く作っていただけるとのこと。
Facebookメッセンジャーでやりとりさせてもらったのだが、日本語と英語がしょっちゅう入れ替わったため中の人が複数いるのかと思ったが、バングラデシュ出身のオーナーさん一人だった。彼は日本の大学を出ているため読み書きは完璧。ちなみに小岩のゴレルシャッドや新橋のトルカリなどは大学の先輩とおっしゃっていました。
食べた料理:スペシャルボッタセット
バングラデシュといえば魚と米。今回は米が進む魚料理をメインに、お店と相談して出してもらったスペシャルメニュー、ボッタ5種セット。12時の方向からLoitta Shutki Vorta、Dania Patta Vorta、Chepa Shtuki Vorta、Rui fish Vorta、Begun Vorta。真ん中にあるのがサルビスのじゃがいもとオクラのバジ。
Vortaは基本的に揚げた玉ねぎ、ニンニク、青唐辛子とメインの材料を手で裂きながらマッシュし、混ぜた料理。基本的に揚げたものがベースにあるので、黄色い油が染み出す勢いだったがにかくご飯によく合う。
Loitta Shutki Vortaのloittaは、ムンバイでよく獲れるボンベイダックとも呼ばれているグロテスクな深海魚(和名:テナガミズテング)。魚を干したものを全般的にShutkiと呼ぶ。くさやのような発酵臭がある。ちょっとギュムギュムした食感。
Dania Patta Vorta、つまりパクチーのボッタは揚げ玉ねぎがメインの具材で、そこに大量のパクチーが混ざっている。ダッカで食べたものはほぼパクチーのみじん切りのような代物で、強烈な香りがした。
Chepa Shutki VortaのChepaはIndian Minor Carpと言う鯉の仲間のようで、これもよく食べられている魚。半発酵して干し魚をVortaにする。
さらなる魚のボッタとして、Rui fish Vorta。ルイも鯉の仲間で、Chepaよりも名前を聞く頻度が高い。
Begun Vortaはお馴染みのナスのVorta。ナスと油はやっぱり馴染むよね。
Irish Shorshe
イリッシュ(ヒルサ)のマスタードベースのカレー。Ilish(ヒルサ)はバングラデシュ人に大人気の魚で、汽水で獲れる。日本では流石に冷凍でしか手に入らないようだ。バングラデシュに行った時は毎日揚げ焼きのような形で食べていた。骨が多くて食べにくいが、脂が乗っていてうまい。日本では代わりにサーモンとかで作ったらうまそう。
Beef Kala Bhuna(Kalo Bhunaとも)
ビーフを油とスパイスで煮込んだ料理。美味キッチンでは2日間煮込んだと言っていた。肉の繊維質がホロホロにほぐれるまで煮込んである。ゆっくり煮込むムスリム料理の真髄。
サルビスで魚の頭とムング豆のカレー、ムリゴント(Muri Ghonto)も出してくれた。おそらくボッタに使って余った魚の頭を使ったのだろう。ドロドロでほうれん草が溶け込んでおり、魚の出汁が効いたダル、と言った感じだ。
レシピによってはじゃがいもとライスを入れて作るバージョンもあるらしい。
最後にシレット(Sillet)茶葉のチャイを入れてくれて、シメとなった。シレット茶葉がバングラデシュで有名なのは、そこでしか茶葉がとれないかららしい。
感想
何を食べてもご飯が進み、ライスマネージメントが非常に難しい案件だった。ご飯はお代わりし放題だったので、山盛り二杯食べてしまい、久しぶりに食べすぎて気持ち悪い状態を体験した。
それにしてもこの、ベンガル料理の実家メシ感。地味だけどおいしいんだよな。ベンガル料理、ハマってます。
電話か Facebookで連絡すると、リクエストには柔軟に応じてくれるようなので是非。普段は雇われたシェフさんが作っていて、今回のようなリクエストがあるとオーナー自ら作ってくれるらしい。
お店の情報
営業時間
11:00~15:00(L.O.14:30)
18:00~22:30(L.O.22:00)
※2019年6月1日時点日曜営業 定休日:不定休(最新の営業状況はFacebookに掲載されます。)
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
コメント