ホテルはホテルでも泊まれないホテルってな~んだ?
そう、答えはサンバレーホテルである。
インド、特に南インドでは「ホテル」という名前がついた食堂が多い。泊まれるような宿泊施設は「ロッジ」という名前を使っていることが多い。
行くたびにいつも驚きと発見に満ちた体験をもたらしてくれるこのお店。
言うまでもなくリピート必至のお店なのであるが、以前は実際にお店の前に行っていったん記帳し、再度訪問しなければならないという難易度の高さで、なかなか頻繁には行けていなかった。
コロナ以降はテイクアウトのみになり、TwitterのDM経由で引き取り予約が可能になった。しかし、まるで本当にインドで食べていると錯覚するほど作り込まれたあの店内で飲食ができないのは残念だ。
前日の夜にTwitter上でメニュー告知がされるので、食べたいメニューに氏名、電話番号を添えて予約受付アカウントにメッセージを送るとテイクアウトの予約が完了する。
というわけでテイクアウトサンバレーホテルでいくつかテイクアウトをした。この日のメニューは
★Punjabi Chicken Curry
★North Indian Fish Curry
★Palak Gosht regular
★Rajma Masala
の4種、それにRoti、Peshawari Roti、Basmati Riceというラインナップ。もちろんすべてお願いした。
すぐに食べたかったのでピクニックシートとインド食器を持参して路上で食べようと思ったけど、たまたま親切なミュージシャンに拾ってもらって、あたたかなおうちの中で食べさせてもらうことができた。ありがとうございまーす!!
テイクアウトと言っても妥協は許されず、環境の整備や食べる順番を整えていく。
まずはPalak GoshtとPanjabi Chickenを軽くレンジで温め、RotiとPeshawari Rotiと一緒にいただく。
Palak Goshtは文字通りならほうれん草とヤギ肉なのであるが、それがただものではない。
ペーストではなく、刻んで柔らかになったほうれん草がこれまた柔らかで官能的にねっとりとしたマトンに絡んでいる。なんじゃこれエロス。
なんかマスタードのような香りがあったのだが、別にマスタードは入っていないっぽい。
Panjabi Chickenは、もうみんな好きだろ、という王道の合法コンソメパンチのような味で、旨味が強い。(そもそもコンソメパンチは合法だったはずだが)
肉が柔らかくジューシーで、最近冷凍のぱさついたチキンばかり食べていた自分には染みた。
肉もうまいんだけど玉ねぎやヨーグルトでできたモロモロ、グレービーが蕩けるようで、ロティーにつけて延々と食べられる。
Peshawari Roti/Roti
Pehawarは現パキスタンの地名だが、レーズンやナッツ、ココナッツなどの詰め物がされたチャパティをPehawari Rotiと呼ぶらしい。甘いのだが、食事のパンとしても美味しい。
後半戦に入る。後半戦には、ライスと合う料理たちを持ってきた。
North Indian Fish Curryはすごい。なんだろう、とても軽いのだ。トマトもたまねぎもほぼ旨味を引き出さないように調整されており、酸味が引き立っていて軽い。
パンジャービーチキンが暴力的な、本能に訴えかけるタイプのうまみだとしたらこちらは一口ではわからない、探っていくような美味しさかもしれない。でもぷちぷち弾ける香りの粒子が畳み掛けてきて、相変わらず情報量がめちゃくちゃ多いのだ。
最後はRajma Masalaという渋いチョイス。Rajmaは日本語でいうなら赤いんげん豆か。レッドキドニーと呼ばれることもある。毎日色々な豆を食べるインドだが、ラジマはその中でもねっちょりとした味からか、ごちそう的な豆に分類されていた。八角が香り、中華っぽいテイストがある。
情報量がものすごく多く、香りのスロットが異次元のサンバレ−ホテル。
お家で一緒に食べさせてくれた某ミュージシャンは「もはやこのお店の料理を食べることが趣味なので、先に死なれてもらっては困る」と言っていた。
間違いなく、もっと頻繁に通わなくてはいけないお店だ。
お店情報
基本的に金・土・日・月の営業だが、不定休もあったりするため公式SNSを要確認。
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