VHSって響きはなんだか懐かしい。でもビデオテープの規格じゃなくて御徒町のヴェジハーブサーガだ。最近ラージャスターン料理について調べており、ヴェジハーブサーガで食べられる要予約のラージャスターンターリーを食べてきた。
ラージャスターン州の料理
ラージャスターン州はインド北西部に位置し、インドで最も面積が大きい。パキスタンとも接しており砂漠地帯が広がっている一方でジャングルや湿地帯もある。
グジャラート、マハラシュトラ、ゴアなどとともに「西インド」でくくられることが多い。
なぜ御徒町なのか。ラージャスターン州といえばキャメルサファリのイメージが強いが、実は宝石産業が発展している。 明治時代から宝石問屋が多かった御徒町に、宝石商を営むラージャスターン人が進出してきたという経緯があるようだ。
2009年にオープンしたヴェジハーブサーガだが、オーナーはラージャスターン州出身の宝石商でジャイナ教徒。野菜を持ち込めば料理を作ってくれるベジタリアン料理専門店として有名だ。
ラージャスターンで言えば75%はベジタリアンだが、ベジタリアンは適用範囲が難しい概念で、卵や乳製品は食べられたりお酒も飲む人もいたり、ベジタリアンといいながら祈りを捧げた肉は食べられたりする場合もある。
ジャイナ教徒の多くは不殺生を貫くためにピュアベジタリアンで、卵や根菜も食べない。
根菜や卵には命が宿っているからというのが理由らしく、にんにく生姜も使わない人もいる。
ターメリックはいいのかな。
ラージャスターンターリー
構成要素は以下の通りだった。
- ダール…意外と汁気のあるダール。
- バーティ…砂漠の丸いハードパン
- チュルマ…バーティを崩してギーやカルダモン、砂糖を足したお菓子
- パコラ…かき揚げ
- カディ…ひよこ豆の粉でできたカレー
- ガッタカリー…ひよこ豆の粉で作ったソーセージ的なものを具にしたカレー
- チャトニ…爽やかミントとコリアンダーのチャトニ
- ギー
- ライタ
インドでベジといった場合、「野菜がたっぷりあってヘルシー」!というよりは「ノンベジがない」という解釈のほうが正しい。特にラージャスターン料理は砂漠の料理であることもあって、多くが粉もので構成されている。炭水化物ばっかりであまりヘルシーではないかも。
水も貴重らしく、水の代わりにギーやバターミルクで捏ねて作るらしい。
ダール・バーティはラージャスターンの名物料理。バーティーは全粒粉を使った丸いハードパン。
砂漠では保存が効く食料を確保する必要があり、本当は牛糞を焼いた灰の中で焼くらしい。
これはいただきもののガスタンドールで焼いたやつ。
何度か作ってみたのだが、もそもそしてカロリーメイトのように口が乾いてしまう問題があった。
ここのお店はそもそもギーにしっかりびしゃびしゃに浸しているので油の分滑りが良かった。 やはりそれがポイントかも知れない。
お店の人の指示でぐちゃぐちゃに割ったバーティにダールとガッタカリー、チャトニーをたっぷりかけて食べさせられた。カレーライスのような形式で、しっかりしみさせて食べるとおいしい。
ガッタカリーも一度作ってみたことがあるが、ひよこ豆の粉で作ったちくわぶのような感じで特段美味しいものではなかった。
しかしここのガッタはレストランということもあるのだろうが満足感があり、バーティと一緒に食べるとなおのこと相乗効果があった。
ただ、全体的にギーが多用されていて粉ものばかりなのでずっしりと胃に来る感じがする。
水を飲んだせいで時間差でお腹いっぱいになってしまい、途中から闘いのようになってしまった。
予約は必要だが胃の調子がよいときに挑戦してみてはいかがだろうか。
ちなみにグジャラートターリーも食べられるのだが、メニューの構成は3分の2くらい同じだった。
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