京都から電車で20分ほど下った宇治の黄檗という駅から少し歩いてすぐ、住宅街の中の古民家の前に突然現れるツートンカラーのオートリクシャ。
日本式の平屋の目の前にインドでよく見る黄色と緑のリキシャがいて脳がバグってしまう。
ここはコルカタに数年滞在経験のある建築士の方が実家を改造して作り上げたというお店。設計の仕事もされているそうで、その名も「カレー設計事務所」。
入るとまず土間を改造した玄関とキッチンがあり、食事をする場所は座敷になっている。
建物の外観はかなり古いが、中はきれいに改装されている。
コルカタ滞在の経験を活かしたという西ベンガル料理をモチーフにしたスペシャルなカレープレートを注文した。
ベンガルの甘いダール、じゃがいもの入ったチキンジョール、海老の出汁の効いたカレー、日替わりのじゃがいもカレー。
そこにマイダ(小麦粉)の無発酵揚げパンであるルチと、黄色いバスマティライスがついて見た目も華やか。
西ベンガルの料理は全体的に甘みが強く、マスタードオイルやマイルドな味付けが特徴。詳しくはこちらのリンクをご参考。
カレープレートの他にも、サクサクのパロタでチキンや卵を巻いてソースを掛けたコルカタ屋台料理の代表カティロールや、濃厚に仕上げられたチャイなどもいただける。
きれいに整えられた緑の中庭もすがすがしい。
座布団代わりの丸い椅子板にあぐらをかき、背筋を伸ばしながらカレーを食べる。青唐辛子に当たると、じわっと汗が出る。
和の風情で調和された空間なのに目の前には印度の料理が並び、ターメリックとマスタードの香りが立ち込めている。備考をくすぐる香りは脳を直撃し、ベンガルの地を旅した記憶を呼び覚ます。
途端にいまここがどこかわからなくなる。京都の懐の深さとカオス感がいい感じに同居している空間だった。
タブラなどもあり、スペースを活用してイベントなどもたびたび行われているらしい。時空の狭間に迷い込みたいときにおすすめ。
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