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カレーの用語辞典

バングラデシュの香り米、チニグラとは

カレーと米にまつわる問題として、ベンガルで食べられているお米について深堀したいというテーマをあげた。

今回はベンガル料理のお米として有名なチニグラについて、ダッカへ旅行した時の思い出と合わせて書いてみる。




バングラ人はドカメシを食う

昨年末からお正月にかけてバングラデシュに一週間ほど滞在したのだが、毎日のようにお米をたくさん食べていた。バングラデシュの人は、文字通りドカメシを食う。

世界で一番お米を食べている国は…日本は50位 | リセマム
 世界で一番お米を食べている国は「バングラデシュ」で、ひとりあたりの1日の消費量は、日本のコンビニのおにぎりで換算すると10個以上にもなることが、トリップアドバイザーの調査結果より明らかになった。なお、日本の消費量は世界第50位という。

このサイトによると、バングラデシュの人は毎日日本人の4倍の米を食べているという。年に3回くらいお米が育つという気候に由来するものもあるが、とにかくみんな米が好きなのだ。



では一体、どのような米が食べられているのだろうか。

一般的に、普段の家庭の食事で毎日普通に食べる白いご飯はShada Bhatという。そのまま白いご飯の意で、あまり香りが強くないパラパラした長粒米だ。バングラデシュ人に聞いてみたが種類が無数にありすぎてわからないと言われた。一番有名なのはMiniketというものらしい。


バングラデシュ人家庭の昼食

チニグラについて

バングラデシュといえば有名なのが「チニグラ(Chinigura)」というお米。
日本でも買えるのだが1kg1000円〜1500円くらいと、結構高い。バングラデシュでも高いので誕生日とか特別な日に食べるお米なんだとか。

これは先月大塚のスナリベンガルビストロに行った時に系列のスパイスショップで販売されていたチニグラ米。1kg 1000円だった。

バングラデシュには小さくて香りの高いAromatic Riceがいくつかあるらしく、ごっちゃにして扱われている例がたくさん見受けられる。こういうのとか。

chiniguraには別名がたくさんあるのだろうか?例えばkalijeera(カリジラ)。カリジラというのは黒いクミンという意味だが、籾殻が黒いことが由来だという。また、プラオやキールに使うとおいしいとされるPulao Chav/Pulao Riceも、チニグラの別名だという。

しかしそれぞれは別々の違うお米として扱われている例も多数あり、本当は別名ではなくそれぞれ違うお米なのではないだろうか?Gobindobhogもchiniguraの別称だという説があったが、それもどうやら違うっぽい。

全然わからないので、誰か教えてください。



チニグラの思い出

バングラデシュ滞在中、たまたま結婚式に二回招待されて二回とも参加した。チニグラがバングラデシュ人にとってちょっと特別なお米だというのは、二回の結婚式で二回ともチニグラを食べたことからも窺い知ることができる。言うなれば、チニグラは「ハレ」の米なのかもしれない。

一度目は首都ダッカの近くの農村部。

まずミスティ・ドイの上にグラブ・ジャムンが乗った激甘デザートを食べ、鉄骨剥き出しの二階建てビルの屋上に移動し、チニグラ米のプラウとフライドチキン、レッグのチキン・ロースト。それからボルハニ(しょっぱいヨーグルトドリンク)、野菜を切ったサラダを食べた。

日本の結婚式のように司会進行にきれいに仕切られてイベントが進行していくという感じではない。

とにかく人がたくさん出入りしているので、空いている席に代わる代わる人が座って、急いでメシを食べる。もちろんみんな手で食べるので水差しと石鹸、水受けの洗面器が用意され、それ専門のウェイターがたくさん回っていた。

二回目の結婚式はバイラブ・ウパジラという町に行った時に参加した。この時も新郎新婦のことはよくわからず、入り乱れる人々の中で席につき、急かされるようにご飯を食べた。
この時のメニューはまたしてもチニグラのプラウにチキンレッグのロースト、シャーミーカバーブ、マトンカレー。

二回とも同じようなメニューだったが、これは結婚式のためのお祝い用メニューなのだろうか?

なんだかとっても錦糸町にあるあのお店で食べたものに似ているが。




チニグラを使ったビリヤニとして日本でこれまた有名なのがオールドダッカのハジビリヤニ。肉を炒めて煮汁に牛乳を足してチニグラを入れて炊くというプラオっぽい作り方をするビリヤニである。灰色っぽい色と、青唐辛子、ライムが特徴的。オールドダッカ周辺には偽のお店がたくさんあるので注意。でもどのお店が一番おいしいのかは食べてみないとわからない。


チニグラの使い方

今までチニグラの加減がよくわかっていなくて失敗したりしていたのだが、三度目の正直、チニグラのプラオを炊いてみたら割とうまくできた。

チニグラは浸水させなくてもいい。ザルで洗って乾かしておく。

牛乳とお湯が合わせてお米の倍の量になるように入れるのがいいらしい。

また、粒が小さいので割とすぐ火が通る。加熱は沸騰した後蓋をして弱火7分程度で十分だった。ただし、蒸らしている間に吸水するので、火を止めた後の蒸らし時間が大事らしい。





それでは、よきチニグラライフを!チャオ!

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カレーの哲学.com

コメント

  1. やるお より:

    >牛乳とお湯が合わせてお米の倍の量になるように入れるのがいいらしい
    水分量多すぎる気がするんですが
    合ってますか?
    当方チニグラ米を食べてことは多分ないです。

    • カレー哲学 より:

      >やるおさん

      コメントありがとうございます。
      僕もそう思ったんですが、これで合っているみたいです。
      流石に水多すぎるんじゃない?って思いますけど、チニグラは水を吸ってよく膨らむため倍量でやってみてください。
      日本でもバングラデシュ食材店やオンラインで買えます。