ワクチン接種二回目直前、清々しい晴れた日に、原宿に6年ぶりに復活したという噂のカレーを食べに行った。
色々な人に話を聞くと、あのお店のメニュー開発に絡んでいたりだとか、あのお店のイベントを手伝っていたりとかなんだかすごいお店のようであった。
BLOCKHOUSEという名前の通り、三次元に生きていることを思い出させてくれるような、鉄骨が宙に浮かんだような不思議な建物を登る。パーマ液の香りがした。空中を挟んだ隣の建物に美容室が入っているのが開いた窓から丸見えだった。長髪の男性がPC作業をしているのが見える。
階段を登りきると突然ガラス張りのお店が現れた。
ランチは予約できないので心配していたが、幸いにもすぐに入ることができた。
特徴的なメニュー表。この日のカレーはナスポークとイトヨリ。
こういうときに、「せっかくだから…」と全部盛りのスペシャルカレープレートを選択してしまいがちな人生である。
さらにはオプションに気になるメニューが有ると追加してしまいがちなのである。
スペシャル、大盛り、チキンピクルス追加。
バスマティは湯取りしていて、大盛りは量がかなり多い。ここのところビリヤニばかり食べていたので、久しぶりに白飯をワシワシ食べる感覚を思い出した。
米の上にはダールの海が広がり、ギーの香りがふくよかに佇んでいる。上にはカラチャナ(黒ひよこまめ)のスンダル的な炒めもの。
付け合せは黄色いビーツの炒め、レモンピックル、空芯菜のマスタードオイル炒めなどで、鎌倉野菜を贅沢に使用している。
イトヨリのココナッツフィッシュカレー、うまい。
フレッシュな香りがする。焦がしたししとうの香り、テンパリングスパイスの香り。軽く炒めた玉ねぎの香り。うーん、技あり。
新鮮な香りが重なりあって畳み掛けてくる。
秋口にぴったりなナスポークは、スモーキーな深煎りマサラ。ちょっとカルナータカクールグのポークカレーとかを思い出すような香りだ。
なすも大ぶりでとろとろである。
そしてこのぼんやりしたサンバルがよい。何かのスパイスがオーバーでバランスが崩れている状況がもてはやされたりする世の中だが、心地よく調和した状態のほうが実はレベルが高い。
そしてチキンピックル。ちゃんと発酵した香りがあった。ねっとりとしながら香ばしくて、バスマティが進む。
原宿という街にはとにかく疎外された印象をもってしまう僕であるが、軽やかな印象の店内と爽やかなプレートに、ワシワシとスプーンが進んでしまった。
お店の情報
※店舗情報はご自身でお確かめください。
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