毎年のことなのかもしれないが、暑くなり冷やしカレーが流行っている。
石川県が本拠地のカレー屋さん、チャンピオンカレーでも冷やしカレーを始めたらしい。
他にもあちこちのお店で冷やしカレーは出されている様子。
基本的に冷たい食べ物は感じられる香りが弱まる。香りを食べる意図が強いカレーという食べ物には冷やしという食べ方は不向きではないか。
それでも色々考えてみたい。まずは日本に既にあるような、冷たく食べる料理を応用するのはどうだろう。
思いついたアイデアを適当にTwitterに書いてみたら、大阪ではすでに全てコンプリートされていると教えていただいた。(主に西中島の某店や肥後橋の某店らしい)
自分が思いついたようなことはすでにどこかのカレー屋さんが思いついているのだなあ。
ならばまずは偉大な先人に学ぼう、ということでNeo Culture曾我部さんのレシピを参考に冷やしカレーを3つ作ってみた。
Neo Culture曾我部さんとは?
世界を放浪してあちこちの家庭料理や田舎料理を研究されている旅人料理人。あちこちで料理を振る舞われたりレシピ本を出版されている。とにかく一箇所に止まっていない、ずっと旅している人という印象。
彼は、インドレシピや食文化に関して書かれた本を何冊も自家出版されている。
『北インドのおうちカレー』は「ターメリックとチリしか使わないミニマムなチキンカレー」や、日本では見た事のない「スープがすっきりと透明に仕上がったニハリ」のレシピなども載っており、驚きの連続で知らないうちに日本で見かける料理の固定観念が張り付いていたなと気づかされる部分も多かった。
タミルのミールスについて捧げられた『南インド-タミル・ベジタリアン料理 ミールス解説読本』は、現地でのミールスの解説と詳細のレシピつき。写真のアルバムを眺めるように料理写真をみるだけでも、まだまだ知らない料理ばかりなんだなと思って早く旅に出たくなった。
⚫︎インド人直伝 北インドおうちカレー上・下
⚫︎むしろ食べる専門の方にお勧めのレシピ本「南インド-タミル・ベジタリアン料理 ミールス解説読本」
⚫︎アジアに学ぶ大量調理のカレーレシピ 上・南アジア編
⚫︎北インドの食卓
さらに近日、ビリヤニについて書いた『ビリヤニの2割』という本を刊行されるという。「ビリヤニの全て」ではなく、まだ2割りくらいしか知らないというかなり謙虚なメッセージを込められているタイトルだという。
気になる方は購入して見て欲しいが、今のところFacebookのメッセージで直接売ってもらう方式になると思われる。Kindle本とかにしたら売れそうなんだけどな。
そんな曾我部さんのブログを拝見していたら冷やしカレーのレシピを見つけたので、参考にしつつ試しに3種類作ってみた。
カツオのたたきの冷やしカレー
カツオのたたきの変則的なタレという感覚で楽しめる冷やしカレー。
クミンやガラムマサラが入るので、他の冷やしカレーよりいわゆる「カレー」っぽさが強い。
全般的に言えることだが、冷やしで食べるものは酸味を利かせると良い感じになる。
ちなみにいきなり登場する「渋谷ポロン」はフェンネルシード、クミンシード、フェネグリークシードを全部同量で混ぜるだけ、らしい。東インドのパンチフォロンからカロンジとマスタードシードを抜いたものってわけですね。
エビときゅうりのベンガル風冷やしカレー
カロンジやターメリックなどを使いつつ、エビをベンガルっぽく仕上げた冷やしカレー。
ブラックペッパーの香りがよい。レシピの最後は「いい感じに仕上げる」となっていて参考にならないんだけど、酢で締めるような感じで仕上げた。自分は長野県出身なのでりんご酢を使っているのだが、冷たい料理には穀物酢が合うという説もある。
しらすと大葉の冷やしカレー
こちらは大葉をどっさり入るので香り高く、シャバシャバな冷製スープのように食べられる。
冷やしカレーなので合わせるご飯は何がいいのか考えて、冷めたタイ米と炊き立て日本米を両方用意してみたが、組み合わせは炊き立て日本米の圧勝だった。
冷やし中華を冷やしカレーライスに仕立てたものは酢飯を使われてたりするので、冷たいご飯を使う場合は酢飯に合わせるのもアリかもしれない。
冷やして食べる目的のカレーとして、よく考えられてあるレシピでした。
よかったら試してみてください。
コメント