「カレーのオープンチャット」の考える部屋では、毎週テーマを変えてカレーにまつわる何かを深堀していく。忙しいが、確実にカレーのための調理科学を学び続けるモチベーションになっている。
発酵とカレー
今週は「発酵」ウィークである。「発酵とカレー」というキーワードだけでも話が色々と広がり、例えば以下のようなテーマが出てきた。
テーマ:発酵とカレー
・色んなアチャールを調べてみる。
・インドの発酵食品ってなんだろう?:ヨーグルト、ナン、イドゥリとかドーサの生地、アチャール、実は色々ありそう
・乳酸菌・枯草菌・酵母菌・自前酵素の違い
・相性の良い発酵食品や使い方:カピやトウチ、納豆カレー、キムチ、ダルに酒粕、リンゴもろみ、塩麹、醤油こうじ
・タイの発酵食品:参考http://www.jircas.affrc.go.jp/DB/DB11/
・水煮したフェヌグリークで納豆作る
・発酵調味料を入れるとミドル感をブーストされたように感じる→タマネギの炒め具合を強めたような感じ(糖とアミノ酸、メイラード反応?)
・発酵食品をカレーに使うと、スパイス感が邪魔される
・マーボーカレー、マーボー要素の発酵調味料が強くてスパイスに負けてしまう。
・スリランカの調味料、ウンバラカダとゴラカの使いこなし方が難しい
・ネパール料理のムラコアチャールってうまい
などなど連想される事柄はたくさんあるのだが、そもそも自分は「発酵」というもの自体が、『もやしもん』を過去に読んだことがあるくらいでなんとなくしかわかっていない。
簡単に言えば微生物が物質を分解する働きの中で人間に有益なものが「発酵」と呼ばれ、有害なものが「腐敗」とされているに過ぎないのだが、線引きがよくわからないものもある。
インドの発酵食品について調べていたらPhan Pyutという北東インドで食べる腐ったじゃがいも(Extra aged)の料理がヒットした。土の中で腐るまでじゃがいもを放置して、それを料理して食べるらしいのだが味は大変美味しいらしい。食べ慣れない人が食べたらお腹を壊しそうである。
この場合、現地の人が食べたら発酵、観光客が食べたら腐敗、ということになるのだろうか。
実験:発酵玉ねぎトマトカレーとフェヌグリーク納豆を作る
とりあえず今週の実験として自分は発酵トマトと発酵玉ねぎ作りに挑戦し、それでカレーを作ってみたらどうなるのかを試してみるつもりだ。
実は一度試してみたのだが、何も調べずに塩分適当、素手で塩揉み、空気の入る容器で保存というダメな例をそのまんまコンプリートしていて、食べた時に腐ったような香りが口いっぱいに広がった。これはダメだ。
トマトや玉ねぎの発酵は、自然に野菜の表面についている乳酸菌を利用する。人間がカレーを食べてうんこを排出するように、乳酸菌は糖を食べて乳酸を排出する。
みじん切りにした後ziplockなどの空気を抜ける容器に重量の3%程度の塩と共に入れ袋の上から軽く揉み、少量の水を入れ空気に触れないようにする。
25度以上の室温で17時間放置したら白く濁ってきたので冷蔵庫にしまった。今回はうまくいけばよいのだが。。。
発酵玉ねぎと発酵トマトを3日ほど発酵させたら、
①普通玉ねぎ×普通のトマト
②発酵玉ねぎ×普通のトマト
③普通玉ねぎ×発酵トマト
④発酵玉ねぎ×発酵トマト
の4パターンで、鶏肉250gずつで分量を揃えてそれぞれシンプルなチキンカレーを作ってみようと思っている。
フェヌグリーク納豆に関しては完全に思いつきだ。発酵といえばみんな大好き納豆。そういえばフェヌグリークも豆なのだから、作ろうと思えば納豆になるのではないか?と思って水に浸けたらめっちゃ膨らんだ。
フェヌ汁、成分が溶け出していて飲むとすごい味がする。
試しにふやけたフェヌグリークを食べてみたらただの生の豆の味。
果たしてフェヌグリークで納豆はできるのだろうか。
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